Dio駆動系整備
今回も学生の通学車両(50cc原付)整備依頼です。
国際オートメカニック科の学生から「駆動系から異音がする」、「ベルトが滑っている感じがするし、スピードも出ない」とのご用命を受けましたので、駆動系を分解してみました。
オドメーターが何周か回っている様だったので少なくとも1万km以上は走っている模様です。(一般にバイクの3万kmは自動車の10万kmに匹敵する消耗度と言われています。)
以上の事からかなり消耗が進んでいるだろうと予想はしていましたが想像以上で、プーリー(円盤状の部品)はレコード盤状にガタガタ、クラッチの山はツルツルに減ってしまっており、駆動系の内部はこれらの削りカスで真っ黒の状態でした。
(こんなに教科書通り劣化が進んだ状態は私も初めて見ました。)
なるべくお金が掛からない様に、まずは分解点検してみてそれから必要な部品を交換して欲しいとのご用命でしたが、結果ここまで消耗が進んでいるとなるとほぼ一式部品を交換する事になってしまいました。
そこで今回は純正部品ではなく、サードパーティー(いわゆる社外品)の純正同等品を安価に仕入れて交換する事にしました。
交換後は無事にスピードも出る様になって異音もしなくなり快調になりました。
人間も定期健診などを受診しますが、人も車も何かあってから対処したのでは大事になってしまうのは同じなので、定期点検と整備は大事ですよ。
と言うお話でした。
(ハイエンジニア研究科担当記)
クラッチ残溝無し
クラッチ交換前後
コ―ションプレート
プーリー交換前後
レコード盤状
異常摩耗
駆動系OH
段付き摩耗プーリー
- ハイエンジニア研究科
- 更新日:2018.06.28