7/2 シャシ工学 旋回半径
「トー角」って聞いた事ありますか?トー角はくるまを上から見た時にタイヤが進行方向に対して内股になっているかガニ股になっているか?を示しています。
これがどういう影響を与えるか?ですが、スキーをやった事がある方は最初にボーゲンというV字型を作ってゆっくり斜面を下ってくる所から始めたと思います。
これと同じ様に、トー角が内股になっている状態の事を「トーイン」といい、この状態では直進性を与えハンドリングに安定感が出ると言われています。
反対にトー角がガニ股になっている状態の事を「トーアウト」といいます。この状態ではごく初期のハンドリングが向上する反面、直進性が低下すると言われています。
どちらも軽くつけた場合には狙った効果が得られ、その他のタイヤの角度(アライメント)との相乗効果によりタイヤの偏摩耗を防ぎます。※前タイヤの場合です。
今回の授業ではサスペンションの設計について考えるために過大なトーイン、トーアウトをつけた場合と0°(トーゼロ)の場合の三種類について、最小旋回半径を比べました。
結果的にはセオリーで言われている通り、トーアウトに近付く程小回りとなり曲がり易いと言う事が分かりました。
経験を積んでくると肌感覚で分かる様になってくる「セッティング」のセオリーですが、
座学や実験を通して学ぶ事により何故こういうセッティングになるのか?という「裏付け」が出来る様になります。
物づくりではこの「裏付け」を意識する事が大事なので、学生達もこれを意識する良いキッカケになったのではと思います。
(ハイエンジニア研究科担当記)
- ハイエンジニア研究科
- 更新日:2018.07.11